HK 変態仮面(2013)
HK 変態仮面(2013)
監督:福田雄 原作:あんど慶周
脚本:福田雄一 脚本協力:小栗旬
キャスト:鈴木亮平、清水富美加
ムロツヨシ、安田顕
佐藤二朗
【作品紹介】1992~93年にかけて「週刊少年ジャンプ」で連載された伝説的な人気漫画「究極!!変態仮面」を実写映画化。ドMの刑事とSM女王を両親に持つ紅游高校拳法部員の色丞狂介(しきじょうきょうすけ)は、転校生の姫野愛子に一目ぼれしてしまう。そんなある日、愛子が銀行強盗に巻き込まれ、人質にとられる事件が発生。覆面を被って変装し、強盗を倒そうとした狂介は、間違って女性用パンティを被ってしまう。しかしその瞬間、狂介の奥底に眠っていた変態の血が覚醒。人間の潜在能力を極限まで引き出した超人「変態仮面」に変身する。監督は「勇者ヨシヒコ」シリーズや「コドモ警察」など異色コメディを多数手がける福田雄一。原作の大ファンを公言する俳優の小栗旬が脚本協力として参加。主演は、小栗監督作の「シュアリー・サムデイ」などで知られる若手俳優の鈴木亮平。(映画.comより)
徹底的な少年誌的ギャグ映画
公開から話題を呼んでいる本作。これぞクールジャパン!という好評価がちらちらと耳に入ってきたのでこの目で確かめにいきました。
少年ジャンプで1年間で連載が終わってしまった(ギャグ漫画としては特別短くない気がするけど)20年以上前の作品を実写映画化。これだけで大きな話題になる作品ですね。「変態」「おいなりさん」「パンティー」などなど、少年誌的な下ネタワードが飛び交うどうしようもなくくだらない映画でした(笑)
特徴としては、少年誌(ギャグ&ヒーローもの)に多用される紋切り型のフォーマットをほぼそのまま映画に採用しているのが面白いです。(設定やプロットだけではなく、芝居とか編集のテンポ感まで終始一貫してます)
ex)突然やってくる転校生のかわいこちゃん、が何故か即日自分の部活にマネージャーとして入部、一目惚れする主人公、はまじめに武道系の部活やってるのに一般人より弱い、けどムキムキ、下校途中に現れる銀行強盗、のうちの一人を生身であっけなく倒せちゃう主人公、そしてあまりにくだらない方法での変身と謎の秘めたる潜在能力…etc
そういうコモンなコンテクストの引用をしてくれているお陰で、ご都合主義展開…とか、変身するメカニズムがよく分からない…とか、そういった細かいことは一切気にせず観れるようになってます。
加えて、押し付けがましい感動演出や教訓的エピソードは一切なく、すべてがギャグに帰結していく潔い演出。古典的少年誌のギャグはこうでなくちゃという愛情が感じられました。
成人男性が観るにはレベルが低い
映画としては、“コメディ”というジャンル感というよりも“ギャグ漫画”をそのまんま映像化しているところがオリジナルな部分ですね。なので、普通の少年ギャグ漫画を読み慣れている、そしてもっと過激描写を青年誌等で読んでいるハイティーン層以上の成人男性には目新しいものが何もない。低レベルすぎてなんだかなぁと。子ども向け映画を観て微笑ましくなるような鑑賞感ですね。
つまり、小学生や女性にはオススメ!
逆に!こういう作品をど真ん中で楽しめる小学生男子や、お下劣系少年ギャグ漫画を読み慣れていないような女性層はとっても楽しめるのではないかと思います。なんといっても本作の見どころは主演の鈴木亮平が自ら鍛え上げた見事な肉体美を堪能出来ることですからね!!全編ほぼ学生服or全裸同然での登場なので、ニヤニヤが止まらない方も多いでしょう。
実際、映画館にはカップルや女性のお一人様も多く訪れており、なんか知らんけどすごい喜んでいました。僕の隣にいた30代くらいの女性も終始奇声を発しながら楽しんでいました。むしろそれを見てる方が楽しかったよ(笑)
あくまでギャグ漫画
成人男性がそこまで楽しめないのは、作品が変態変態と連呼しているのにちっともエロくないからです。鈴木亮平もほとんど全裸で走り回ってるのにまったくいやらしくない!むしろ綺麗!つい触ってみたくなる美しさ!
これは全編通して非常に注意深く作っているように感じましたね。あくまで低年齢層を対象としたギャグ漫画として成立させるために、“ 変態≠エロ、変態=ギャグ ”であることを徹底してるんですね。
ギャグとしては結構面白いところがありましたね。変態故に強いのに、変態故に自分の正体を愛子ちゃんに明かすことのできない主人公のジレンマ。変態なのに好きになってしまう愛子ちゃんのジレンマ。俺は変態なんかじゃない…!という変態仮面の苦悩(笑)、ニセ変態仮面の爽快感を感じさせるほどの変態っぷりに完膚無く叩きのめされてしまうホンモノ変態仮面……
何より放置プレイを邪魔されて本気で変態仮面に説教を始めるニセ変態仮面が最高にカッコよかったッ!
愛子ちゃんのパンティー
ひとつだけ納得いかないのがクライマックスで愛子ちゃんがパンツを脱ぐシーン!力の出なくなった変態仮面が「君のパンティーなら…もう一度変身して奴を倒せる!!」という今作のハイライトになるべきシーンなんですが、、
ここ、あっさり脱ぎすぎでしょう…!!!!!!
愛子ちゃんがパンツをさっと脱いで「はいっ><」って渡す一連の動きの色気のなさ……
しかもなんか脱ぎ始めるポジションが下すぎない?それ、最初から脱ぎやすいように太ももあたりまでずらしてない?え?もしかして愛子ちゃんふだんからパンツずり下ろして歩いてる変態だったの?
とか思っちゃうほどになんか不自然なんだよぉ…… もったいないよう……
愛子ちゃんのパンティーってある意味変態仮面がこの世で一番欲しいものだったはずなのに、それをあぁもあっさりした演出で簡単に渡してしまうなんて、、
あっけなさすぎる!(号泣)
(ジョジョ5部のナランチャの死よりもあっけなさすぎる!!)
こんなにも、こんなにも徹底してエロを排除するストイックさ。これじゃ(逆に)変態仮面がかわいそうだよ…。愛子ちゃんのパンティーってこんなに簡単にもらえるもんだったの?ってよう。
なんとかエロにならないようにあのシーンを盛り上げる演出はできなかったのか?という一抹の疑問が残りましたよわたしゃ……
全体的には佳作
そんなわけでちょっと納得のいかないカ所も多々あり…。ラスボスは安っぽいCGじゃなくて特撮っぽく作れなかったのか…、誰のパンティーかぶるかによって強さが変わる設定をもう少しいかせなかったのか?とか…、殺陣?のシーンが何度もありすぎてワンパターンでだれてるよ…とか、後半に向けて失速してるよ…とか…
もうちょっとやり方あったでしょ!と声高に言いたいですが、まぁそこは、子ども向けってことで…。
気になる人は劇場へGO!ですよ!
そんじゃーね!
(こういう〆の文句が欲しい)
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